top of page
  • aoimentalclinic

五月病

5月は寒過ぎず、暑過ぎず、過ごしやすい季節ですよね。


2月、3月は、寒い冬から気候がどんどん変わり体がなかなかついていかずにきついなあと思われた方がいたのではないかと思います。それが5月頃になってくると、気温も安定してきて、且つまだジメジメする梅雨の季節には少し間があるということで、だいぶ体が楽になったなあと思われる方も多いのではないでしょうか。


ところが、いわゆる五月病といわれる、この時期に体調不良となる方がいます。当院でも、五月に出現した体調不良により初めて受診するという方が結構います。


どのような症状かというと、


・疲れが取れない

・頭痛がする

・仕事や家事が前のようにテキパキこなせない

・眠れなくなった

・食欲がわかない

・やる気が起きない

・気分が落ち込む

・何事にも興味がわかない

・不安や焦りがひどい


このように、身体の不調から精神的なものまで、症状は様々です。


では何故、この時期に出現するのでしょうか?


五月病はクリニックを受診すると適応障害と診断されることが多いです。

ちょうど4月から就職や異動、進学など、新たな生活がスタートする方は多いかと思います。3月から4月は生活が大きく変化しやすい時期で、その後しばらくは新しい生活に慣れないまま知らず知らずのうちにストレスを溜めてしまったり、気付かないうちに無理をしてしまうことが多くなりがちです。さらに、なかなかストレスの発散が出来なかったりすると、ストレスがたまる状態で1か月ほど過ごすことになり、体調が限界を超えてしまった状態が五月病です。


ところで、どのような人が五月病になりやすいのでしょうか?


・この春に就職、異動、転勤、転職した

・職場の雰囲気や人間関係などが変わった

・新たな責任ある業務やプロジェクトを任された

・元々生活リズムが乱れていた

・冬から春にかけて繁忙期で長時間残業を行っていた


このような方は、要注意です。


4月以前から生活リズムが乱れていたり忙しい状態が続いていた方は、既にストレスが溜まっていたり、自律神経系統に負担がかかっている状態です。そこに更に4月からの環境変化のストレスがかかるとキャパシティオーバーとなってしまいやすいので注意が必要です。


では、どうすれば五月病のような体調不良を予防できるのでしょうか?


・自分なりのストレス解消法を身に付ける

・完璧主義を目指さず「出来る範囲でいいや」と気を楽に持つ

・日頃から1人で悩みを抱えず、上司、同僚、家族など身近な人に相談するようにする

・気持ちを切り替えられる時間を作る

・運動を取り入れる

・睡眠をしっかりとり、しっかり食べるなど、生活リズムを崩さない


新しい環境ではストレスはつきものです。そこでストレスと上手に付き合う方法を考えるようにしましょう。ストレス解消法としては、カラオケ、ランニング、とにかく寝る、愚痴を聞いてもらうなどいろいろなやり方があると思いますが、普段から、自分にあったストレス解消法を見つけておくといいと思います。


それでも、体調不良となってしまうこともあります。様々な工夫をしてもなかなか良くならない場合は、精神科、心療内科の受診を考えてみてもいいかもしれません。体調不良が進み、気づかないうちにうつ病を発症しているということもあります。その場合はうつ病に対する専門的治療が必要になってきます。


どうしても調子が良くないという場合は受診も検討してみて下さい。

最新記事

発達障害のグレーゾーン①

ここ十数年の間に発達障害についてよく知られるようになり、ご自身で発達障害を疑い受診される方も多くなりました。 自分の困難が発達障害から来ているとわかれば気持ち的に少し安心できるし、周りの人に自分のことを説明しやすくなるため、診断がついてほしいという思いをもっていらっしゃる方も多く見られます。 ただし、発達障害の特徴をもっていたとしても診断はつかないというケースがあり、こういったケースがグレーゾーン

五月病

ゴールデンウィークを控え、みなさん連休をどのように過ごそうかウキウキしている時期かと思います。 メンタルヘルス的には、この時期は五月病が気になるところです。 五月病は、新生活の緊張と疲れ、寒暖差の大きさなど、この時期ならではの要因によって自律神経のバランスが崩れてしまうことによって起こるとされています。 五月病の症状としては 気分が落ち込む やる気が起きない イライラしやすい 食欲がわかない・食べ

双極性感情障害(躁うつ病)とは?

双極性感情障害とは、躁(そう)状態と鬱(うつ)状態をくりかえす病気です。 かつては躁うつ病と呼ばれていました。100人に1人程度の割合で発症するとされ、男女差がなく、多くが10代から30代までに発症します。 うつ状態とは、気分が落ち込んだり、興味や関心が低下してしまうなどの症状がみられる状態です。 一方、躁状態とは、気分が高ぶり、眠らなくても平気で元気でいられたり、自分が偉くなった気がしたり、次々

bottom of page